松屋の「豚飯」を食ってみた


 日本は世界一食料自給率が少ない国だと中学の社会の時間に聞いたことがある。
しかし、そうはいっても普段身の回りには食べ物があふれているから正直ピントこない。
実際コンビニに行けば棚にいっぱいの弁当が並んでいるし、スーパーに行けば所狭しと食料が並べられ、威勢のいいかけ声で少しでも多く売ろうと店員が客を呼んでいる。
しかし、ここのところそうも言っていられない状況になってきた。
 2003年の12月も押し迫った頃、アメリカで狂牛病に感染した牛が1頭発見されたのだ。
これを受けて日本政府はアメリカからの牛肉の輸入を全面ストップした。
そして2004年の1月26日になった現在でも、未だに輸入再開のめどが立っていないのだ。
それに加えて鶏インフルエンザがアジア諸国で発生し、日本でも1羽感染した個体が確認された。
 さて、これらの二つの出来事は一人暮らしの男である俺の生活を脅かし始めている。
まず、アメリカからの牛肉の輸入がストップしたことで、安く手軽に腹を満たしてくれた牛丼の存在が危うくなってきた。
大手牛丼チェーンの吉野家では、昨年末から特盛りの販売を停止している。吉野家の発表によると、牛肉のストックを活用しても、このままでは2月中にも牛丼の販売ができなくなるという。
吉野家では焼き鳥丼などの新メニューを投入してこの機器を乗り越えようとしているようだ。
 もちろん俺が普段から愛用している牛丼屋の松屋でも、この事件を受けて続々と新メニューを発表している。
ヘルシーチキンカレー、チキン唐揚げカレー、そして今回取り上げる豚飯だ。
俺はしょっちゅう松屋には行っているのだが、メニューが読めないため豚飯の存在に今日やっと気が付いた。
もちろんこれは食ってみるしかない。だって、この豚飯、牛飯と同じ価格で松屋の売りであるみそ汁標準装備なのだから。
もしかしておいしければ牛飯の代わりになると思ったのだ。

 ということで会社帰りに松屋に寄って早速豚飯とサラダをオーダーした。
頼んでから1分としないうちに出てくるあたり、牛飯とそっくりだ。
 最初に気が付いたことは、やっぱり豚肉だけ合って臭いがちょっとばかり違う。今までの牛飯は何となく甘いような香りがしていたが、今回の豚飯はしゃぶしゃぶのゆでた豚肉のような臭いがかすかに感じられる。
食ってみた感想としては、これは十分に牛飯の代わりになりそうだ。
というか、豚肉が好きな俺としては、むしろ豚飯の方がおいしいような気がする。
上に乗っている豚肉は牛飯のそれと比べて脂身が少ない感じでなかなかいける。
脂身がないのでスライスされた肉がちゃんと平らにくっついている。紙で言えば穴が空いていないといった感じだろうか。
これがどんぶりの中で折りたたまれて一体となり、なかなかの厚みと柔らかさに仕上がっているあたりがなかなか生かしている。
つゆの味は牛飯とほとんど変わらないが、多分若干味付けが薄いような気がする。
これが松屋独特のちょっと堅いご飯と調和しているから最高だ。
 今回は波を注文したのだが、次回からは大盛りを食うに値するようなうまい飯だった。


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