ひげそり物語


始めに


 突然だが、男性の皆さんにお聞きしたい。
ずばりあなたが最初に自分でひげをそったのはいつだろうか。
私は確か小学校6年生ぐらいのことだったろうか。
その当時は親父の髭剃りを借りて、産毛ともひげともつかないようなやわらかい鼻の下に生えた毛を時々そっていた。
しかし、当時寄宿舎に通っていた私は、ひげが濃くなるにしたがって1週間に1回の髭剃りではとても足りなくなってきたのである。
そして確か自分の髭剃りを買ってもらったのが中学3年の終わりぐらいだったろうか。
実はその髭剃り、いまだに現役なのである。
要するにまだこの子は元気に働いてくれている。
普通ならこんなに長い期間使っているとニッカドがだめになったり壊れたりするものだが、当時4000円前後で売っていた倍部式のこいつはなぜかいまだに壊れていないから使っていた。
考えてみると私が持っているものの中でこの髭剃りが一番の古株かもしれない。いやっ、もっと古株があるがそれは点字紙を入れる道具箱で、最近点字なんて使わないので活躍しているものとしてはこいつが一番の古株だ。
しかし、ある朝のこと、こいつもそろそろ寿命かも?という瞬間に出くわした。
 前の日の夜、充電のためコンセントに差し込んでおいた髭剃りを抜き、カバーをはずしてスイッチを入れてひげをそろうとした瞬間、なんだか音が急にいつもの音と違った変な音に変わった。
倍部式の髭剃り機というのは普通「ぶーん」というような音がするものだが、こいつはなぜか
「がー」という音がする。振り回すと「ぶーん」に戻るのだが、ひげをそろうとしてちょっと顔に当てるとその瞬間にひげを絡めて「がー」といっていうことを聞いてくれなくなってしまう。
以前、似たようなことがあったときには掃除したら直ったので今回も洗面所に持っていって中をあけて掃除したが、なぜかやはりひげをそろうとすると「がー」といって言うことを聞いてくれない。
この「がー」といっているときに無理やりひげをそろうとすると、ひげが絡まっているのか顔に強烈な激痛を感じるため、無理やり使うことは不可能だ。
しかし、あごの半分ほどひげをそった状態で外に出るわけにも行かず、ひたすら「っこのばかたれ、頼むから動いてくれ」とか一人でぶつぶついいながら、とんとんとんとんとたたいたり、スイッチを入れてブラシでごしごしごしとこすってみたりして、ちょっと調子がよくなった瞬間を見計らって「じょりじょりじょり」と剃っていると、なぜかある一定の出力を下回った時点でこの現象は解決された。
どうやらフル充電の状態で出力が高いとこの現象が発生し、バッテリーがある程度なくなってくると普通に動くようだ。
使えるものはとことん使い倒したいのだが、急いでいるときにこんな現象が発生するとたまったものではない。
しかも暴走でもされて顔中擦り傷だらけになるのを創造しただけでぞっとする。

機種選び


そんなわけで仕方なく新しい髭剃りを購入することにした。
 ところが、髭剃りなんて今まで一度も買ったことが無いので、どこのメーカーのどんなものを買ったらいいのかさっぱりわからなかった。
というよりも、髭剃りというものにはひげをそる以外にどんな機能があり、どの程度の値段で売られているかという基本知識そのものが無かったのだ。
これではまったく話にならないので、周りの友人や会社の先輩にいろいろと聞きまわって情報を集めることにした。
すると、どうも私の周りはブラウンを使っている人がほとんどらしい。
聞いてみると使い心地もなかなかいいというので、私もブラウンのものを買うことにした。
どうせ買うなら多少高くても使い勝手が良く、長持ちするものがいいと思い、いろいろと検討した結果、BS8585というものに決めた。
このひげそりには面倒くさがりの私にとってはとてもいい機能がついている。それはアルコール洗浄機能だ。台の上に本体をセットするだけで、自動的に髭剃りの洗浄をしてくれるので、基本的には掃除しなくてもいいらしい。
これの上位機種として、BS8590、BS8595というのがあるが、液晶が内蔵されていたり、バッテリー残量の表示が細かいなどの違いしかない。こんな者目が見えない私には関係なさそうだ。

通販で買おうとしたのだが


 ところが、いつものようにWebから注文しようとしてかなり困ってしまった。
ときわという店で買おうとしたのだが、このホームページ、ほんとうに読みにくい。
わざと音声ブラウザで読めないように作ったのかと疑ってしまうぐらいに読めないのだ。
メニューのフレームがすべてALT属性無しで書かれているのはもちろん、ファイル名まで「Maine.php」で同じなのだ。
メニューフレームをこっちががんばって読もうとしても、読み上げがドコモここも一緒になってしまう。
でもやっぱりここが安かったので迷った結果、電話で注文することにした。

早速使ってみる


そして、次の日、友達と音声チャットしているときに到着。なかなかのスピードだ。
この店、Webのアクセシビリティさえちゃんとしていれば私としては大満足である。
 箱の中には充電器とアルコール洗浄機が一緒になった台とケースに入った本体、そしてアルコールカートリッジ、説明書が入っている。
まず、台の中にアルコールの入ったカートリッジを取り付ける。
台を置いた状態で、上側を触ると、長細いボタン、本体をセットする穴、そして指で押せそうな丸いボタンがついている。
この丸いボタンを押すと、台全体が上に持ち上がるような感じで動き、下に何か入れられそうなスペースができる。
付属のカートリッジのふたをはずして、ここにセットする。向きは入るようにしか入らないので心配ない。ただし、入れようとしてあまりぐるぐる回していると、その表紙にアルコールをこぼす可能性があるので、ふたをとる前にセットする向きを確認しておくことをお勧めする。
そして台全体を下にカチッと音がするまで押し下げる。
次に、先ほど台を持ち上げたボタンから2センチほど下に下がったところにアダプターの差込口がある。ここに付属のアダプターを差し込んで、コンセントにつなげてセッティング完了だ。
最初は充電されていないかもしれないので、台の上に髭剃りの葉のほうを下にしてセットして1時間程度充電してから使ってみた。
 使い心地は初めのうちちょっと今までの者よりも顔に当たる刺激が少ないので、剃れているかどうか不安だった。
また、ひげを剃る部分が真ん中で二つに別れているので、これまでのものよりも細かいところを剃ることができる。こつをつかんでしまうとやはりこれはいい。
スイッチで刃の角度も2段階に調整出来るし、いたくない割にはしっかり剃れる。
使い終わったら台の上に本体をおき、手前にある長細いボタンを押すとアルコール洗浄が始まる。
音がちょっとうるさかったりするが、次に使うときにも今までのように粉っぽい感じがしないし、きれいに掃除されているので気分もいい。
何よりも掃除しないでいいというのが気に入った。


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