Proxomitronは、大変便利でプログラムも非常に計量であり、タスクバーにおいて置いても全く邪魔にならないすばらしいソフトです。
しかし、このソフトのWebフィルタに関する設定画面が日本製の二つのスクリーンリーダー(XPReader、PC-Talker)で読み上げてくれない形式になっているため、視覚障害者が独力でこのソフトを使用するのは、最初無理だと思ってしまいました。
ところが、何気なくProxomitronのインストールしてあるフォルダの中をのぞいてみると、「default.cfg」というファイルがあるではありませんか。
しかも、このソフトは、先にも述べてきているように、レジストリも使用せず、インストールディレクトリ以外にはいかなるファイルも作成しないと書いてあります。
そうです。感のいい読者の方は気づいて頂けたと思いますが、子の「default.cfg」というファイルはテキストファイルです。
これをお手持ちのテキストエディターでオープンして編集することで、このソフトの設定を自由自在にカスタマイズすることが可能です。
なお、この設定を謝ると、ソフトがおかしな動作をしたり、思ったように動かなかったりしますので、設定には細心の注意を払ってください。
具体的な書き換え方法
以下はProxomitronの設定ファイルの内、Webフィルタに関する部分の抜粋です。
[Patterns] Name = "Banner Blaster Ver.Prox - J 3 (2001/07/22)" Active = TRUE Bounds = "$NEST()" Limit = 1024 Match = "]++href=($AV(http://$LST(AdJapan)*))\1*" Replace = "" "[ad]" Name = "Banner Replacer" Active = FALSE Multi = TRUE Bounds = "]++href=*" Limit = 800 Match = "\0
このように1行ずつ空白行を置き、フィルタを一つずつ記述します。
それでは説明してみましょう。
- [Patterns]
- これはここからがWebフィルタの始まりだという事を示しています。
- Name = "Banner Blaster Ver.Prox - J 3 (2001/07/22)"
- フィルタの名前の指定です。以下に記述されているフィルタが、「Banner Blaster Ver.Prox - J 3 (2001/07/22)」という名前だと言うことを定義しています。ここでの名前は、フィルタ選択画面のリストボックスに表示されます。
- Active = TRUE
- このフィルタの有効・無効を切り替えます。「TRUE」と記述すると有効になり、「FALSE」と記述すると無効になります。
- Bounds = "$NEST()"
- これは検索範囲を示す特殊な記述法です。詳しくは省略しますが、ここでは「<a」という文字が現れてから、文字がいくつか続き、「</a>」という文字が現れるまで検索しなさいと指示しています。
- Limit = 1024
- これは、検索範囲の最大値で、上記の検索範囲指定に基づいて検索したときに、指定範囲がここで指定したバイト数を超えると、検索を中断するようになります。
- Match = "<a\s[^>]++href=($AV(http://$LST(AdJapan)*))\1*"
- これは検索語句の指定です。詳しくは後で説明するかも知れません。
- Replace = "<a href=\1 target="_top" style="text-decoration:none">"
"<font size=1 color=blue>[ad]</font></a>"- これは置換語句の指定です。ここでは、検索語句に一致するリンクを発見すると、その中の文字列を「AD」に置き換えて、単なるテキストリンクにしてしまいます。これで広告画像を読み込まなくなりますから、ずいぶん表示は早くなります。
- Multi = TRUE(二つ目のフィルタにあります)
- これは複数の検索条件の指定を許すかどうかと言う記述です。
このようにエディタで直接設定ファイルを書き換えることで、音声でも問題なくフィルタの設定を行うことができます。
私はむしろ、GUIの画面でやるよりは、こちらの方が作業が早いのではないかと思っています。