矛盾する現実 許せない!障害者のための就職総合支援サイト


 障害学生就職支援センターの説明会から帰った次の日、俺は早速できることから始めようと思い、障害者採用をやっている企業のホームページはないものかと、授業中必死にそればかりを探していた。しかし、やはり障害者採用を考えている企業というのは、そう簡単には見つかる者ではなく、捜索活動は困難を極めた。
そんなとき、去年先輩が
「障害者のための就職総合支援サイトって言うのがあるんだけど、私はなんだか訳が分からなくて使えなかったな」
といっていたのを思い出して、早速探し始めると、今までの苦労は何だったのだろう、すぐにそのサイトは見つかった。
 このサイトは「障害者雇用機会均等法」とかいう法律で定められた「法定雇用率」を満たしていない企業や、障害者雇用を真剣に考えている企業などがここに掲載されており、会員登録すると簡単にこれらの企業に応募したりできるという者らしい。あえて「らしい」と書いたのには理由がある。
俺はここを発見した時点で、このサイトは果たしてどういうサイトなのか、「障害者雇用がどうしたこうした」とか書いてあるが、正直余りよく分からなかった。それというのも、このサイトが障害者のための者でありながら、視覚障害者のための者では全くないような作りをしていることが原因だ。
トップページは4フレームで見栄えをよくするために意味のない空白フレームが使ってあったり、画像で登録方法を説明してあったり、リンクやボタンは画像だけで構成されているなんてことはこのサイトでは日常茶飯事だ。それにクリッカブルマップまで平気で使われている。
だから、登録しようと思っても、どこのリンクをたどったらいいのか、どのボタンを押したらいいのかさっぱり分からない有様だった。
しかし、ここでくじけてはしょうがないので、ともかく手当たり次第にいろいろと押してみた。するとやっと登録画面にたどり着くことができたのだが、すべての事項を入力して「登録」ボタンを押したつもりだったが、「取り消し」ボタンだったらしく、50分ぐらいかかってやっと入力した内容がクリアされてしまった。

 それにしてもこのサイト、本当に許せない。障害者のための就職総合サイトでありながら、視覚障害者をなんだと思っているのだろう。俺たちは障害者じゃないのだろうか?一応公的機関から発行されている「身体障害者手帳」は持っている。企業が俺たち視覚障害者を雇用しても「障害者雇用人数」として数えられるはずだ。
しかし、よりによってこんな大事なサイトが視覚障害者のことなんて全く考えていないような作りをしているなんて、正直言って悲しい限りである。
もちろんこの後俺は、このサイトを運営している「I総合研究所」という会社に連絡して少しでも改善して頂けるように合計3回ほどお願いをしてきたが、改善されるどころかこのごろますますひどいことになっている。
そのひどさたるや、視覚障害者用のホームページブラウザ「ホームページリーダー」でトップページを開くと、8割ほどの確率でアプリケーションエラーが発生して止まってしまう。
 障害者のための就職総合サイトである以上、このサイトは1日も早く改善して頂きたい。


参考情報


 このページをお読みの視覚障害者の皆様、このサイトを開く際には、「ボイスエクスプローラー2000」というフリーソフトがあれば何とか読めると思います。少なくとも、アプリケーションエラーには鳴りませんので、困っている方は是非おためしください。
 要するにそのひどいサイトってどこ?と思われた方は、このページを隅々まで探してみてください。


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