先輩の彼女と知り合って2週間ぐらい過ぎた日のことである。
いきなり彼女から、私の部屋に電話がかかってきた。
それまで彼女から電話がかかって来るのは夜のことで、突然どうしたのだろうと思った。
また、その電話はどうも受話器の音から考えるに、学校の教室からかけてきているようだったので、私は何か変なことでも怒ったのだろうと予感した。
すると2年生の某先輩二人が、彼女に食事に行こうとしつこく誘っているらしく、逃げるのが大変だから迎えに来て欲しいというのである。
「TomGと約束あるって言っちゃったから、迎えに来てくれれば逃げられるから、今すぐに○○○教室の前まで来てよ。」
私はこの時点でやばいと思ったのだが、とりあえず断る理由がなかったので、彼女を迎えに行くことにした。
そして、彼女を迎えに行って1回のロビーまで来て部屋に帰ろうとしたとき、彼女はいきなり、
「あのさぁ、暇だったらいろいろ話したいからTomGの部屋に行ってもいい?」
と聞いてきた。正直この前も修理のためにパソコンを持ってきたとき、ユニットの仲間から怪しまれたばかりだったので、私は気が進まなかったのだが、断る理由など何も見つからなかったので、そのまま彼女を連れて部屋に帰った。
そしてその後、いろいろと話しているうちに、気が付くと、時計の針は午前2時を回っていた。
私は次の日の授業があったので早く眠りたかったのだが、彼女は私を離してくれない。でも、私もこのまま行くと寝坊確定なので、少々強引に彼女を部屋に帰してしまった。
ところが、それから20分と立たないうちに、また彼女から電話がかかってきた。
用件は、とあるホームページの使い方を教えて欲しいというものだったのだが、また彼女のペースにはまってしまい、気が付いてみると3時ぐらいになってしまっていた。
私が「明日寝坊したくないので」と事情を話して電話を切ろうとすると、
「ところでさぁ、TomGの彼女ってさいたま市にいるんだよね。
ほとんどあえないと思うけど寂しいときどうしているの?」
と話しかけてきた。私が、
「そういうときは我慢するしかないでしょうね。彼女に電話するとかそんな方法しかないですけど」
と答えると、その後いろいろあって、
「じゃぁ、たとえばこの学校の中で、抱いてみたい女の子っている?」
とそんな話になってしまった。
実際遠くにいる彼女に1ヶ月に1回ぐらいしかあえなくて不満だった私は、正直ひとりぼっちで寂しかったこともあり、彼女を抱いてみたいと思った。
そして、ここ何日間か、夜になると彼女からかかってくる電話が待ち遠しくなってしまっていた。
「もし彼女が先輩の恋人じゃなかったら、間違いなく私は彼女を振り向かせたいと思っていたに違いない。」
そう思った私は、その質問に、
「いないってことは無いですけど、まぁ私には到底手の届かない存在ですから」
と返事をした。その日はそれで終わりにしたかったのだが、彼女の方は電話を切らせてくれなかった。
うちの大学の女の子の名前を1年生の方から一人一人挙げていって、「この人?」と聞いてきたのである。
もちろん彼女は自分の名前を最後に残していた。
「これはまずいなぁ」と思いながらも、嘘を付くのが苦手な私は、最後のところで彼女が「あたしじゃないよね?」と言ったとき、何を言っていいか分からなくて黙り込んでしまった。
すると彼女は、
「離したいから今すぐ強要棟の下まできて」
といって、電話を切ってしまった。
そしてその後、強要棟の下で待ち合わせた私たちが、部屋に戻ってきてドアを閉めたとき、彼女の方から、
「私、M君よりTomG君の方が好きなの。」
と気持ちを打ち明けられた。
私はM先輩のことがあったから、少し迷ってしまったのだが、
「先輩のことありますけど、それでもつきあってくれますか?」
と聞いていた。
そうして2000年9月18日午前4時頃、私には2人目の彼女「U」ができた。
私たち二人はその日のうちに、お互いの相手に電話をかけて、今までのことを正直に話した。
それまでMとは1年間つきあっただけあって、自分の気持ちを正直に話すのはかなり勇気がいったのだが、「好きな人ができたから」といって彼女とは別れることになった。
Uの方も、M先輩とは1年近くつきあっていたことと、彼がアメリカに行っている間に起きてしまったことだけに、罪悪感でいっぱいだったと言っていた。
そしてこの後Uとは、1年ぐらいつきあうことになる。