中学生生活にもある程度慣れ、やっと心に余裕が出てきたと思える6月前半、私たち1年生にとって最初の中間テストの時期が訪れた。
小学生の頃から中学部と高等部が期末試験だとか、試験1週間前に寄宿舎のラジオ体操が休みになるなど、一応意識として大きくなったら試験があるということは知っていた。
でも、自分がいざ試験となると、これは予想以上に大変だった。
と書きたかったのだが、ここで自分をまじめに見せてもしょうがないので正直に行くことにしよう。
私は小学生の頃から試験の前に勉強したことは1度ぐらいしかなかった。
だからこのときもどうせ勉強しなくてもなんとかなるだろうという甘い考えのもと、他の先輩が勉強しているのを尻目にラジオばかりを聞いていた。
そして迎えた試験当日、1時間目の社会と2時間目の数学は楽にできた。
ところが、3時間目の英語になって、私は頭が真っ白になってしまった。
なんと、事もあろうに、私は問題そのものがほとんど読めないという有様。
「次の分を日本語にしなさい」
とか、「次の分を英語にしなさい」
などは読めるのだが、日本語にすべく英文が単なるアルファベットの羅列に見える。
そう、私は英語のスペルを全く暗記していなかったのである。
これにはさすがに参ったのだが、今更どうしようもないのでともかく分かるところだけやって(といってもほとんど空欄)提出した。
次の国語の時間は自分なりに良くできたと思ったので気分も少し回復し、とりあえず初めての中間テストは終わったのだった。
さて、テストの終わった次の日、1時間目に社会のテストが帰ってきた。
これはいい。ここまでは全く問題なかった。
しかし、2時間目の国語の時間、先生は入って来るなり大きな音を立ててテーブルに教科書を置くと、無言でテストを返し始めた。
そのテストには点数が書いていなかったので、どうせまた怠けて点字で点数を書かなかったのだろうと思っていると、
「テストに点数は書いてありません。それは皆さんの点数を発表するためです」
などと言い出した。
そして発表された私たちの点数は、これまた全員がさんざん極まりないものになっていた。
最高得点の人でも50点を超えないのだからこのすばらしさたるや最たるものである。
その後私たちは1時間以上も説教を食らってしまうことになり、その後帰ってきた英語の点数でショックを受けたこともあって、私は次のテストからは少しは勉強するようになった。
しかし、これまたそうは長く続かないもので、2学期の中間テストではまた酷い目に遭うことになるのだった。
どうして2学期のテストでは酷い目にあったかということについては、こちらをご覧いただきたい。