オーストラリア旅行体験レポート(7)
オーストラリアでの生活も7日目になったこの日は、ホストファミリーと自由行動になっていた。俺は前からホストママに
「フリータイムはMickeyのホストファミリーと過ごしたい」と言っていた。でも、その日はルックとエディーのサッカーの試合のある日だった。そこで、午前中はサッカーの試合を見に行って、午後からあいつのホストファミリーと合流することにした。
俺が9時ごろに起きて下に降りていくと、ホストママはモーニングシャワーを浴びていた。
「腹が減った」と思って待っていると、まだ朝御飯ができていないらしかったので、FMラジオを聞きながら待っていた。その日の朝御飯はいつもと同じくベーコンライスとコーヒーだった。何度も書いていてうるさいと思われるかもしれないけど、オーストラリアで食べるベーコンライスは旨い!
朝御飯の後、なんと嬉しいことに、ホストパパが今日も忘れずにNHKのニュースナインを録画しておいてくれたのでそれを見ながら今日の詳しい話をした。そして、ホストパパは子ども達と先にサッカー場へ行っているというので、おれはアイロンがけをしているホストママと一所にテレビを見ていた。
10時近くになって、サッカー場へ行くと、ホストママがいろいろな人に俺を紹介してくれた。すると、ここが日本と違うところで、
「あなたは白い杖を持っているけど、目が見えないの?」、
「少しは視力があるんでしょう」などいろいろと聞かれた。そんなわけで、いろいろと周りの人と話していると、いきなり誰かに
「Tom」と呼ばれたので
「Yes,」と答えると、それはトムはトムでもルックの同級生のトムだった。しかし、トムという人はどこに言っても沢山いるだけ合って、間違えやすい。実際、最初の日にここに来るときのバスの運転手も「トム」だったなあ・・・。
試合を見ながら俺が周りの寒さに震えていると、ホストママに
「It is very cold today and it's a winter.」と言われた。そして、自分の着ているコートを俺に貸してくれようとしたので、
「大丈夫」といって断ってしまった。しかも、なんと嬉しいことにホストママは俺のために携帯用の椅子を持ってきてくれていた。本当に、ここの人達はやさしい人だ。この間の手紙の事にしても、今日の椅子の事にしても、何度感謝しても足りないくらいだ。
それにしてもここの人達の応援はすごい!地域の人達がみんなで一緒になって一つのチームを応援している。その結果かもしれないけど、ルックとエディーのチームは勝つことができた。試合の終わったエディーとルックに
「congragulation」と言うと、今日のナイスプレイの事を自慢そうに話して聞かせてくれた。そして、ホストパパまでもかなり嬉しそうな顔をしていた。
サッカーが終わると、いよいよ俺が待ちに待っていたあいつのホストファミリーと過ごす時間になった。マクドナルドで1時に待ち合わせをして、そこでランチタイムだった。俺とあいつは、ハンバーガーとフライドポテト(日本と味は全然変わらない)を食べながら、いつもの様に日本語トークをしていた。すると、あいつが自分の携帯番号を書いた紙を俺にくれた。それを見ていたあいつのホストパパが何やらこそこそとうわさし始めた。そして、他の人達まで何やら言い始めたかと思うといきなりあいつのホストママに
「Tom, she looks beautiful.because her finger is special.」しかも、あいつは青のアイシャドーまで塗っているので完全に怪しいと思われたらしい。
お昼を食べ終わった後は、近くに在る
「ジャパニーズガーデン」に行った。ここは、日本の庭を再現したテーマパークのような物で、糖漏があったり、池があったりして、なかなかの作りだった。そこで、なんだか俺とあいつはツーショットを撮る事になってしまった。
一通り庭を回った後、お土産屋へ行くと、日本ではあまり見ることの無い変な物がたくさん売っていた。そこで、ホストママに
「これはあまりジャパニーズライクじゃない」と言うと、
「じゃあ、どんな感じだったら日本らしい?」と聞かれた。もちろん俺にそんなことを説明する英語力があるはずも無い。しょうがないから
「I can not explan this in English.」といわざるを得なかった。そんな話をしていると、あいつのホストファミリーが店の中から出てきて、
「このシャツMickeyに似合うよ」と俺に言うではないか・・・。
「だから、俺はあいつの恋人じゃない!勘違いもほどほどにしてくれ!」と言うと、あいつのホストママは大笑いしていた。
ジャパニーズガーデンを出ると、今度は、近くにある大きな池の周りを散歩した。歩きながら、あいつと話していると、俺のホストママが
「トムがMickeyに通訳してる」と言った。どうやら俺達の噂をしているのを通訳したのがばれたらしい。
そのうちに誰からともなく
「子ども達が遠く離れている」事に気づいた。心配になって追いかけて行くと、前の方でルックが転んで泣いていた。それを歩きながら皆で慰めていると、今度はエディーが転んで泣き出した。
「こんなちょっとした事で泣くな!」、考えてみると日本の子どもは9歳になるともう泣かないのにこいつらは毎日のように泣いている。これも日本と外国の感情表現の仕方の違いなのだろうか。
子どもたちがやっと泣き止んだので、近くの東屋で休んでいると、いきなり日本語で
「どこからきたんですか?」と聞かれた。
「日本からです」と答えると、その人はかなり上手な日本語で
「東京ですか?」と聞いてきたので、
「違います、東京から約100キロメートルぐらい離れた栃木県からです」と答えた。
「どこで日本語を勉強しましたか?」と聞くと、
「長崎県の佐世保市に1年間いました」と言っていた。そのとき、俺のホストママに
「トム、なにを言ってるの」と聞かれたので、俺名物の適当な英語で答えると、
「英語が上手ですね、オーストラリアで何が美味しかったですか?」と聞かれたので、
「ホストママの作ったベーコンライス」と答えると、
「そうですか。私もホストファミリーだったんですけど、私のところにきた学生は何も喋ってくれないんです。私、困ってしまって・・・。」と言っていた。俺とあいつはそれを聞いて
「それじゃあその学生はオーストラリアまでわざわざホームステイに来た意味がないよなあ」と話していた。その後、その人と記念に写真を撮った。(俺が声を聞い た限りでは、かなりきれいな人だったなあ)
その人と別れた後、ホストママガいきなり
「トム、ブランコあるよ、乗る?」なんて聞いてきたのであいつに
「ブランコ乗る?」と聞くと
「うん、久しぶりに気持ちいいかもね」と言ったので、俺はいったい何歳なんだと思いながらブランコに乗ってあいつと競争を始めた。
「あたしの方が高いもんね」
「いや、俺の方が高いぞ!」なんて言っていると、ホストママが大笑いを始めた。続けてどんどん笑いが広がってエディーにも笑われてしまった。でも、それにも関わらず俺達はその下らない勝負を暫くやっていた。それにしても不思議だ。俺たちは完全に日本語でしか話していないのに、ホストファミリーたちには意味が分かるのだ。やっぱり、言葉は違っても雰囲気で分かるのかとそのときつくづく感じた。
下らない(でも楽しかった)ブランコ勝負が終わると、ちょうど家に帰る時間になった。
家に帰って、コーヒーを飲みながらゆっくりしているうちに、あっと言う間にディナーの時間になった。その日のディナーはなんだかオーストラリアの食べ物の肉の塊のような物がメインだった。しかも、家に帰ってきてすぐにアップルジュースを飲んだくせに、ディナーの時もまたあの甘いアップルジュースを飲みたくなってしまった。どうやら、この国で一週間ちょっと生活しているうちに、すっかりものすごく甘いものが好きになってしまったらしい。そして、こんなにも甘い物を飲んでおきながら、
「ああ、アイスコーヒーが飲みたい」なんて思うほどだった。
ディナーの後、あいつのホストファミリーが迎えに来た。そして、あいつのホストパパが昼間のビデオを持ってきてくれたので、それを見ながら、みんなで大笑いしていた。
その後、ダイニングルームでホストママと9時頃まで話してから、シャワーを浴びて寝た。
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