さて、その後はバスでシドニーに行き、いろいろな観光名所を見て回った。
最初にオペラハウスにいったが、ここは目が見えない俺にはちょっとわかりにくかった。でも、記念にはもってこいだと思い、手引きをしてくれた女の子と写真を撮った。
それからクルーザーでシドニー湾を回りながら、その中でお昼を食べた。でも、こんな船に乗るのは初めてだったので、すっかり船酔いしてしまっった。ツアーコンダクターの先生が、船の中で流れている英語のアナウンスを、日本語で通訳しながら、この国のことについて、詳しい説明をしてくれた。でも、正直言って気持ちが悪くて内容は覚えていなかった。
さて、いよいよオーストラリアで過ごすのも最後の最後になった午後は、近くの免税店に買い物に行った。しかし、金のあまりない俺たち学生(俺とあいつの二人)は、また庶民的な場所に行きたくなり、ツアーコンダクターの先生をちゃっかりと捕まえて、近くのフリーマーケットに行った。
そこで気がついたんだけど、シドニー市内はかなり込んでいるにも関わらず、ほとんど人にぶつかると言ったことがなかった。そこで先生にこのことを質問してみると、シドニーでは白杖をもっている人を見かけると、自然とよけて通ってくれると言う習慣が、日本よりもしっかりと身に付いているということだった。 驚いたのはそれだけではない。シドニー市内の道路やその道路沿いに軒を連ねているほとんどの店の入り口には、日本では恒例の段差がほとんどない!!これも驚いた。そして、日本のように道路に点字ブロックはないものの、俺たちが歩いていてじゃまになるようなところには、決してものがおいてあったりはしなかった。だから、点字ブロックがなくても、安心して歩くことができるというわけだ。
さて、フリーマーケットに着くと、これまでにもましてここは込み合っていた。しかも、このフリーマーケットの中には、おもしろいものばかりが売っていた。オーストラリアのコインを埋め込んだ手作りのキーフォルダー、カモノハシの形をしたたわし、手作りのとてもかわいいアクセサリーなど、免税店などではなかなかみることのできない珍しいものが売っていた。
しかも、ここは観光客ではなく、この国の一般の人々がたむろする場所なので、生活用品や食料品などが、日本とは比べものにならない程安い値段で売られていた。
そんなわけで、俺たち二人は、他の人とは全く違った楽しい買い物をすることができた。
さて、空港の近くの中華料理店で夕御飯を食べて空港に着くと、みんなで最後の集合写真を撮った後、残りのコインを使ってしまおうと言うことで、残り時間買い物をすることになった。俺はあまりコインをもっていなかったので、近くのチョコレートや3で、細かい猪口をたくさん買って飛行機の中で食べようと思って、店員さんに残りのコインを渡して、その辺の細かいものを詰め込んでもらった。すると、俺の予想していた量の3倍以上のチョコレートを買うことができた。
そして、「カンタスオーストラリア航空21便」で多くの思い出と感動の体験をさせてくれた南国オーストラリアを後にしたのだった。
オーストラリア旅行体験レポート(8)